<あおぞら銀行 シニアエコノミスト 奥田壮一氏>
10年債入札前に、ネガティブな予想をすでに織り込みながら相場が推移していたため、結果を受けた相場の影響は薄い。通常通りの入札結果という印象で、入札を終え、相場は一つのハードルを越えた形で比較的しっかりしている印象だ。3月末決算で都銀勢などが手控える一方で、官公庁系や地方勢がある程度コンスタントに購入する状況下で、応札倍率が上昇する形にはなりにくい。
セカンダリーについては、現状は決算上の社債を処分する流れのなかで利が乗っている債券を一緒に売却する動きが多いため、ある程度見通しが立てられるまでは積極的に10年債を買ってクーポンを取りにいくのは難しい。3月半ばぐらいまでは動きづらい展開が継続すると思われる。