15日に開かれた経済財政諮問会議の議事要旨が20日、公開された。日銀の速水優総裁が長期国債の買い入れ増額について「供給した資金がどれだけ実体経済に浸透していくのかよく考えるべきだ。また、市場の認識次第で長期金利に悪影響を及ぼす可能性もある」と述べ、慎重な姿勢を示した。これに対して、竹中平蔵経済財政担当相は「金融政策については不良債権処理がさらに進むことを前提に一層のご協力をお願いしたい」と日銀にさらなる金融緩和を求めた。
また、奥田碩トヨタ自動車会長は、住宅ローンの所得控除の導入や住宅ローンの税額控除制度の拡充、住宅所得にかかわる贈与税の基礎控除額の拡充などを提案。また、投資減税や研究開発税制の見直しなど税制でのインセンティブにより資産市場の活性化を図るべきだと主張した。
これに対し竹中経済財政担当相は「抜本的議論はこれからだが、方向性を出しておくのは一つの方法だろう」と述べ、減税による経済活性化の方向性に理解を示した。