金融当局が12日からドレスナー銀行、バンク・オブ・アメリカ東京事務所や、それぞれの証券部門などに対し、先週から相次いで立ち入り検査に入っていることが20日、分かった。
いずれも定期検査の一環だが、金融庁などは金融・証券市場の信頼を回復するため、内外の金融機関に対する監督を強化しており、一連の検査でも法令違反行為の有無などについて調べているものとみられる。
銀行だけでなく証券部門も対象
証券取引等監視委員会の担当者によると、同委はドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン証券(東京支店)とバンク・オブ・アメリカ証券(同)に検査に入った。
一方、金融庁の担当者は、明治ドレスナー・アセット・マネジメントも検査対象であることを明らかにした。ドレスナーとバンク・オブ・アメリカにも同時に検査に入った。
空売り規制違反で行政処分
ここ最近では、空売り規制に違反したとして、ゴールドマン・サックス証券(東京支店)や、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券が、自己売買部門など一部の業務や取引停止の行政処分を受けている。
金融庁はこのほど、特定の銘柄の値段を大量の空売りなどで意図的に下落させるような動きを防ぐため、直前の株価未満で空売りの注文が出せないようにするなど空売り規制の強化を決めた。東京証券取引所も19日、空売りに対する監視を強めると発表している。