電通は14日、外国人投資家のIR(投資家向け広報)への要望と日本企業のIR活動に対する評価について、アンケート調査を実施した。日本株を扱う欧米の機関投資家200人が回答し、回答率は20%だった。調査によると、情報開示、コーポレートガバナンス(企業統治)、投資家とのコミュニケーションの3点いずれも「悪い」以下の回答が50%を超え、外国人投資家の不満が浮き彫りになった。調査時期は2001年8月下旬から9月上旬。
情報開示の面では、セグメント情報といった定量的な情報だけでなく、経営戦略のような定性的な情報についても9割近い投資家が重要視している。しかしこれらの項目について、日本企業が「良い」以上と評価する回答は2―3割程度。四半期開示も61%の回答者が重視しているが、「悪い」以下が半数以上を占め課題を残した。コーポレートガバナンスでは、取締役会の独立性の点で社外取締役や執行役員制度の導入の遅れが響き、「良い」以上が9%にとどまった。