東証一部上場のナカノコーポレーション、勝村建設、古久根建設など東京に本社を置く中堅ゼネコン(総合建設会社)6社は20日、人材の相互活用や技術開発、営業など広範囲に提携することで合意した。建設市場は縮小し受注単価も下落している。6社は銀行系列を超えて地域連合を組みコストを削減、競争力を高める。
建設業界では来年4月にも三井建設と住友建設が経営統合し、これにフジタが合流を表明しているが、再編の動きが中堅ゼネコンにも波及してきた。
提携するのは上場3社のほか、坂田建設(東京・墨田)と小川建設(同・新宿)、坪井工業(同・中央)の非上場会社3社。6社は現在、ピークの事業量に合わせて配置している技術者を必要に応じて融通し合い、人件費を圧縮する。
下請け工事会社も相互活用することで工事発注先の選択肢を広げ、資材も共同で調達しコスト削減と品質向上につなげる。建設技術の共同研究・開発にも取り組み、人件費や研究開発費などでそれぞれ1-2割のコスト削減を目指す。
営業では、都内に26万戸ある都営住宅や民間マンションの建て替え、改修事業の受注などで協力する。公共事業では6社が共同で入札に参加する経常共同事業体(JV)の構築も検討する。産業廃棄物の処理事業も共同で始める。
6社で提携協議委員会を設け、提携の詳細を詰める。建設市場がさらに縮小し経営環境が一段と悪化すれば、経営統合に発展する可能性もある。
国内建設市場はピークの1992年度の84兆円から2000年度は70兆円に縮小した。このため従来ナカノなど中堅ゼネコンが主に受注していた首都圏での10億円前後の小規模工事でも、最近は大手や準大手ゼネコンが受注攻勢をかけており競争が激化している。