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小泉純一郎政権の直参旗本がついに、殿にレッドカード−。夕刊フジコラムでいち早く真紀子前外相の更迭要求、小泉内閣の経済無策を厳しく指摘するなど、ゲリラ戦を展開する自民党の舛添要一参院議員が「チェンジ！日本が変わるべき５０のこと」（ダイヤモンド社）を緊急出版した。「機動的かつ大胆な金融政策を展開せよ」と小泉首相にあえて直言。「日米首脳会談を機に大きく政策転換しなければ日本は本当に沈没する」と危機感を露（あらわ）にする。
舛添氏は昨年の参院選で小泉首相とともに全国を行脚。圧倒的な知名度に加え、外交防衛、介護、経済金融政策など幅広い分野での豊富な知識で他候補を圧倒した。比例候補の当選ラインを大きく上回る１６０万票を獲得するなど、小泉内閣の“功労者”の１人。
そのため、党内でも「直参旗本」として小泉首相と独自のパイプを持つとみられるが、その旗本もついに、「主君への諫言（かんげん）」に立ち上がった。
新著「チェンジ！」では、小泉内閣は発足以来、経済不況に何ら有効な対策を取っていないと指摘。
「今、日本は一気に『臨終』の状態まできている。医者もいない、薬もない、酸素ボンベもないなら私も諦（あきら）めがつく。しかし、手だてはまだあるのだ。あるのだから使えばいいが、小泉総理はそれを頑（かたく）なに拒否している。私にはそれが、わざとサボタージュしているようにしか見えないのだ」と厳しく断罪している。
さらに、小泉首相が株価の下落のニュースに「一喜一憂しない」と答えたことについて、
「一般人でも『株価と関係ない』などという人が少なくなってきた矢先だけに、まったくもってガックリきた。（中略）一国の首相が『株価の動向に一喜一憂しない』などと公言してはばからないのは、これから航海に出ようという船の船長が『わたしは天気図なんか見ない。天気に一喜一憂しない』といっているのと同じである。わたしがその船の乗客なら、あわてて船を下りて別の船に乗りかえるだろう」と、「レッドカード」を突き付けているのだ。折しも、日本経済は株、円、債権のトリプル安に突入し始めた。
ついに、米国格付け会社「ムーディーズ・インベスターズ・サービス」も１３日には日本の長期国債の格付けを現在の「Ａａ３」から引き下げる方向での見直しを発表した。先進国では事実上、最低ランクになることになった。
さすがに、経済オンチの小泉首相も腰を上げ、経済財政諮問会議でデフレ対策を指示。１８日のブッシュ大統領との首脳会談で、構造改革とともにデフレ対策を進める方針を示した。
だが、今月中にも取りまとめる予定のデフレ対策が「市場に中途半端と判断されれば、すさまじい日本売りが始まる」（兜町関係者）という可能性もある。
舛添氏は「外圧といわれようと何といわれようと、この日米首脳会談を機に大きくカジを切らないと、今度こそ、日本を取り返しのつかないドン底に突き落とすことになる」と指摘。
「政策転換の結果、複数の閣僚のクビが飛んで政局になろうとなるまいと、もはやとひるんでいる暇はない」。小泉政権崩壊の危険があってもデフレ対策に取り組め−と強調する。
この厳しい諌言も、「経済オンチの小泉内閣が経済問題に手をこまねいていた」（自民党幹部）ためともいえるが、身内から飛び出した「レッドカード」に小泉首相はどう出るのか。
ZAKZAK 2002/02/20
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。