日銀の速水優総裁は14日の衆院予算委員会に参考人として出席し、1.5%近辺で推移している長期金利について「緩和的金融環境が続いており、急激に上昇していく地合いにない」と語った。五十嵐文彦氏(民主)への答弁。
総裁は長期金利の急激な上昇が起こりにくい金融環境であることを指摘する一方で、「長期金利の急激な上昇があれば実体経済に大きな影響を及ぼす可能性がある」とも発言。長期金利上昇への懸念を示した。
また、米ムーディーズが日本の国債格付けを引き下げる方向で見直すと発表したことについては国債の発行残高が大きいことなどを挙げ、「財政のサスティナビリティー(持続可能性)に市場が厳しい見方をしているのは事実」と指摘。そのうえで、経常収支が黒字である点などを強調し、「日本経済の潜在力を考えれば簡単に格下げするのはおかしい」と格付け見直しに反論した。