少人数の個人が資金を出し合って株式投資をする「投資クラブ」の設立・運営を支援するNPO法人(特定非営利活動法人)が新たに設けられることになった。日本証券業協会が、3月の理事会で決定後、内閣府の認証を得て7月にも活動を始める見通しだ。
投資クラブは、親しい仲間同士が自主的に学習会を開いて売買銘柄を決め、その損益を分かち合う民法上の組合組織だ。小口資金でも、勉強しながら投資ノウハウを身につけられるとして欧米で盛んになり、アメリカでは約3万3000、イギリスで約1万に達している。日本国内では、まだ約200と少ないため、個人投資家の受け皿として日証協が普及を図るものだ。
新設されるNPOは、投資クラブが不正取引の温床にならないように、クラブのメンバーが役員を務めている企業の株式売買をクラブ規約で禁じたり、メンバー間のトラブルを未然に防ぐ総会記録の書き方などをアドバイスする。
さらに、希望に応じて、現在、日証協に登録している証券会社のOBらを「投資クラブ相談員」として無償で派遣し、学習会の講師を務める。この際、個別銘柄の投資勧誘などは行わないことにしている。
派遣費用や事務局員の人件費などは、日証協や東京証券取引所などがこのNPOに拠出する数千万円の寄付金でまかなう計画だ。
日証協は今後、投資クラブに対する優遇税制や簡便な納税手続きの導入を政府に働き掛け、クラブの普及を側面支援する。