国土交通省は19日、地方のゼネコン再編を促進するため、企業再建ファンドの設立を支援する方針を明らかにした。全国3万社にのぼる地方ゼネコンの中には公共事業の削減で受注が減少し、過当競争から経営不振に陥っている企業が多い。国交省は日本政策投資銀行に企業再建ファンドへの出資を要請し、ファンドは統合・再編を条件にゼネコンに出資、再建を支援する。ファンド設立に動き出している福島県建設業協会をモデルケースに、支援を全国に拡大したい考えだ。
政府は、日本政策投資銀行に企業再建ファンド設立に1000億円の出資枠を確保している。国土交通省は、この出資枠から地方ゼネコンの企業再建ファンドに出資要請をする方針だ。
地方ゼネコン向け企業再建ファンドの設立を検討しているのは、福島県建設業協会(佐藤勝三会長、加盟社387社)。協会の役員を中心に地元金融機関にも出資を求め、資本金2億円程度をめどに年内の設立を目指している。ファンドは、県内の20社前後のゼネコンに民事再生法を申請させ、過剰債務を切り離し、ファンドが新たに出資して再建を支援する。