アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは18日、繁華街の銀行に預金引き出しを求める市民が殺到した。バールやハンマーを手にした預金者が「泥棒!」などと叫びながら、シティバンクなど外資系銀行のドアや窓を防護していた金属板を破壊。政府がほぼ3カ月にわたり続けている預金凍結の解除を求めた。
アルゼンチンのドゥアルデ大統領は現在、同国の金融システムを維持するため、預金引き出しや海外送金の制限、預金凍結、ドル建て預金のペソ建て転換などの措置を取っている。
こうしたなか、ブラジル、ウルグアイ、チリ、ボリビア、パラグアイの大統領は同日、国際通貨基金(IMF)に嘆願書を提出、アルゼンチンに対する新規融資の実施を要請した。各国の間には、アルゼンチンの経済危機が域内の貿易や経済成長に悪影響を及ぼしかねないとの懸念が強い。
IMFは昨年12月、対アルゼンチン融資を停止。新規融資の条件として、同国に対し首尾一貫した経済対策案の提出を求めている。