全国銀行協会の山本会長(みずほホールディングス8305.T会長)は、小泉首相が柳沢金融担当相に特別検査の厳格化を指示したことに関連して、その結果により、公的資金の注入には至らないのではないか、と認識を示した。
定例会見で述べたもの。
山本会長は、大手行がすでに特別検査を想定した引き当て強化などを行っていることなどから、「各行が発表している決算見込みなどからみると、特別検査後も自己資本比率を十分維持でき、公的資金の注入というところには至らないのではないか」と述べた。また、特別検査の厳格化について、信頼性確保の観点から、「裁量的、恣意的になることはない」との認識を示した。
また、山本会長は、政府のデフレ対策として不良債権処理の加速が期待されていることについて、「不良債権処理の加速でデフレがなくなるという理屈には違和感がある」と指摘した。
一方、株式の買い取り業務を始めた銀行等株式取得機構の利用について、山本会長は、金融界として、「可能な限り活用していきたい」と述べた。ただ、今後の利用状況については、「現実に売却される金額は現状では予測が難しい」と語った。
また、山本氏は、みずほホールディングス会長として、特別検査厳格化の影響などを受けた今期の不良債権処理額について、「特別検査やその後の変化を見込んでも、2兆円程度におさまるとみている」と述べ、2001年9月中間決算発表時の今期2兆円という見込み額に大きな変化はないとの認識を示した。