柳沢金融担当相は、銀行への資本注入問題に関連し、国際業務から一時撤退し金融機関として再生を目指す経営戦略もあるのではないかとの質問に対し、ひとつの考え方ではあるが、一定の国際的なプレゼンスは国際社会から求められている、との認識を示した。
衆院予算委員会で小池百合子委員(保守党)の質問に答えた。
公的資本再注入問題に関連し、小池委員が、資本注入によって自己資本比率8%維持に必死になるまえに、国際業務から一時的に撤退し、再生を図ることも経営戦略ではないかと質したのに対し、柳沢担当相は、まず、「自己資本比率と公的資本注入は直接結びつかない。仮に、8%割れた場合、それが金融危機を招来しそうになったら、それに対してどういう処置を講ずるかの構造だ。また、国内銀行でも、リスクを吸収する自己資本は高いほうがよい。この一般的な考え方のもとで、ご指摘の点は、ひとつの考え方として認めるべきだと思う」と述べた。
その一方で、柳沢担当相は、「現実には、4メガバンクは、それなりに、いま、国際的取り引きのもとにあり、その関係を解きほぐして引き揚げることは、かなり手間がかかり、相手方に迷惑もあろうかと思う。全体として考えると、多額の金融資産を持っている日本経済を考えると、一定の国際的なエクスポージャー、プレゼンスは、国際社会から求められている」と述べた。
そのうえで、柳沢担当相は、「苦境があるから、真剣な努力があると思う。今のルールのもとで、蘇生・再生を志して頑張ることが必要だ」と述べた。