2002/02/19(火)
オーディオ機器製造、販売
東証2部上場
ナカミチ株式会社
民事再生手続き開始を申請
負債200億円
東証2部上場のオーディオ機器メーカー、ナカミチ(株)(資本金250億3868万6626円、東京都小平市鈴木町1-153、中道武社長、従業員48人)は、2月19日、東京地裁へ民事再生手続き開始を申請した。
申請代理人は、椿康雄弁護士(東京都港区赤坂1-12-32、電話03-3505-4600)。
同社は、1958年(昭和33年)4月に(株)中道研究所として設立。80年2月には株式の額面変更を目的に、1950年(昭和25年)9月設立の千代田理研(株)を吸収合併し、現商号に変更し当社が存続会社となった。
古くはカセットテープレコーダー、データーレコーダーなど磁気記録機器ならびにエレクトロニクス関連機器の製造販売、受託研究試作などを主な業務としてきたが、75年11月に電算機器部門を別会社へ営業権譲渡、その後は高級オーディオメーカーとしての評価を定着させ、84年12月には東証2部に上場していた。近年は、CDプレーヤーやカセットテープデッキ、DVDプレーヤーなどのホームオーディオ機器を主力として、CD−ROMチェンジャーを中心とした情報関連機器部門にも進出し、99年12月期には年売上高約144億300万円を計上していた。
この間、バブル崩壊直後にはオーディオブーム低迷など不況の煽りを受けて業績が悪化したため、92年7月には50名を希望退職させ、国内外の営業所も閉鎖するなどリストラを実施。さらに、97年1月には第三者割当増資を実施し、香港のザ・グランデ・ホールディングズ・リミテッドの傘下に入り、以降はグランデグループのもとで再建を図っていた。
さらに、事業再編を積極的に行い、情報関連機器部門からの撤退したことなどから2000年同期の年売上高は約88億7800万円にまで落ち込んでいた。損益面では、為替差損や先行投資負担、関連会社の清算などから、経常損失約12億3800万円、当期損失約15億6200万円の計上を余儀なくされていた。こうしたなか、2001年の11月には、取引銀行からの借入金を発生原因として、銀行預金およびその他の売掛金について、9億5000万円を請求債権額として仮差押がなされたことなどから信用不安が広まっていた。2001年同期の決算においても、投資損失を含む多額の特別損失計上から約299億円の当期損失となり、約44億円の債務超過に陥っていた。
負債は約200億円。
なお、今年に入っての上場会社の倒産は、そうご電器(株)に次いで6社目。