全国銀行協会の山本恵朗会長(富士銀行頭取)は19日の定例記者会見で、国内景気の現状について「依然として厳しい」と語った。そのうえで2001年度の実質経済成長率について「マイナス1%台半ばになるのではないか」と述べ、1998年度を下回る落ち込みになるとの見方を示した。02年度についても「マイナスの経済成長になる」と語り、2年連続でマイナス成長に落ち込むのは必至との厳しい認識を示した。
山本会長は企業の過剰設備や過剰雇用などの調整が終わっていないことや中国への生産拠点の移転による産業空洞化や、デフレに歯止めがかかっていないことを指摘。「不況がやわらいでいるという印象は見えていない」と語った。
一方で米国経済に底打ち感が出てきていることを挙げ、「いいニュース」と評価。ただ、米国も日本と同様に過剰設備を抱えていることや総合エネルギー会社、エンロンの経営破たんの影響などに触れ、「一本調子の回復というには若干の不安がある」と分析した。