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来日中のブッシュ米大統領は19日午前、国会で演説し、米国が1970年代と80年代初頭の経済低迷時期を、減税や規制緩和、不良債権処理を市場に任せることを通じて克服した経緯を紹介し、「大胆な行動を通じて、経済が改善し強靭になった」と振り返った。そのうえで、これは「日本にも当てはまる」として、日本に対して大胆な改革による経済再生を促した。またキーワードとして「競争」の重要性を指摘した。
大統領は、日本の国際社会での役割が低下するとの見方を否定し、「日本の最も素晴らしい時代はこれから到来する」と期待を表明。そのうえで、「危機や停滞の際には、古い慣行が再び機能するのを期待して待つのではなく、大胆に改革やリストラクチャリングを推し進める方が良いことを学んだ」と、米国の教訓を語った。
大統領は、日本には世界で有数の競争力のある企業や、有数の教育と勤労意欲のある国民がいると指摘。また小泉純一郎首相との個人的信頼関係の強さを強調するとともに、「首相は日本のエネルギーと決意を体現した指導者」として、改革実行に期待を寄せた。そのうえで、「彼は米国の新しいベースボールスターであるイチロー選手を思い出させる。どんな球でもすべて打ち返せるからだ」と持ち上げた。
新たな「維新」に乗り出した日本
大統領はさらに、「日本は革命でなく維新によって前進してきた誇れる歴史がある」と指摘。明治維新の立役者の１人である福沢諭吉が有名な経済学の教科書を翻訳する際に、日本語にない言葉「コンペティション」に遭遇し、それを「競争」と訳した経緯を紹介。「競争は単なる１つの言葉ではない。それは１つの精神であり倫理だ」と強調した。
さらに、「(競争は)革新を推進し自由な人々の潜在力を解き放つエンジンである」と述べ、100年以上前、日本は競争により経済を近代化へと導き、半世紀前には、世界が称賛する戦後の経済的な奇跡を加速させたと語った。そのうえで大統領は、「今日本は、新たな維新に乗り出している」と指摘し、それは、抜本的な改革と競争の全面的推進を通じた繁栄と経済成長へ向けた維新だと述べた。
アジア太平洋地域での強固な協力体制
大統領は、日米両国は自由な太平洋国家の共同体としての「アジア太平洋地域の将来像を共有している」と指摘し、ミサイルや大量破壊兵器の拡散が人類にとって脅威とならないよう同地域の平和と安定の必要性を訴えた。そのうえで、「経済的にも政治的にも強固な協力体制を備えた地域−地球規模の貿易と投資に開放された地域−を目指す」と述べ、具体的には、貿易障壁などの撤廃により人、資本、情報が自由に行き来する地域だと語った。
大統領は、こうした自由で開かれた同地域の実現を目指すため、日米は今まで以上に緊密に協力する必要性を訴えた。日米両国は、安全保障面での絆を強める一方で、効果的なミサイル防衛計画の推進などを通じ、従来以上に同地域にコミットしていく姿勢を強調した。また世界の２大経済大国として、開発援助に関して資金面だけでなく、その国の経済成長に役立つ永続的支援を実行していく必要性も訴えた。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。