竹中経済財政担当相は、ブッシュ米大統領来日に関連し、日本に対して経済は既定路線でやってほしいというのが米国からのメッセージだと述べた。
閣議後の会見で述べたもの。
18日に行われた日米首脳会談の結果に関して、竹中担当相は、「1月に米国に行って得た感触と整合的で、予想、期待通りの日米首脳会談だった」と評価した。
そのうえで、「小泉首相が積極的にデフレ対策を説明し、強い支持を得た。今回の訪日には経済スタッフはおらず、経済に対しては既定路線でやってくれというメッセージだった。これは同時に、日本の責任は大変重いということ。お互いが信頼できるパートナーであり、日本は経済面での責任を果たしていかなくてはならないと思っている」と述べた。
“公的資金の注入を巡って、閣内で意見のズレがあるのではないか”との質問に対して、竹中担当相は、「政府内での認識は一致しているし、強い決意で全閣僚が臨んでいると思っている」と述べた。
さらに、「重要な点は資産査定を厳格に行って、その資産査定に基づいて、必要なアクションを起こすこと。検査に基づいて監督し、その中のひとつのチョイスとして公的資金がある。資産査定の途中でどういう結果が出るかは分からないが、当局が行っていることであり、当局の見方を尊重する。柳沢金融担当相は、検査の結果を見て判断するが、今の時点では、それ程ひどいことにはならないという判断をしており、それは当然の言い方だ。これからやろうとしていることは、資産査定の厳格化と監督であり、何をやるべきかということでは意見が一致している」と述べた。
“現行の預金保険法では公的資金の強制注入は出来ないと思うが、法改正をしてでも行なうべきだと考えるか”との質問に対しては、「現時点で必要との認識は強く持っていない。今の枠組みの活用で、監督行政をきちっとやることで対応できる」と述べた。
特別検査結果の公表などに関して、竹中担当相は、「当事者でないので正確な情報は持っていない」としたうえで、「常識的な感覚としては、特別検査も2段階でやっており、3月の時点で何らかの中間的な情報があるのではないかと思っている」と述べた。
ただ、竹中担当相は、「気を付けなければならないのは、検査結果を中間的に安易に出すことのデメリットもある。裁量的な行政に行くと、検査と監督を分離して行なうことのメリットが損なわれる。実務的に相談しなければならないことはある。厳密な検査と、それに基づく厳格かつ迅速な監督という原則は貫かなければならない。それに基づきしっかりとやる方法を今、議論している」と述べた。
“3月上中旬に何らか公表できるのか”との重ねての質問に対して、竹中担当相は、「検査をクレディブルな物にするにはどうすれば良いか。公表の仕方、いつ、どこでやるのか自体がデフレ対策の重要な中身だ。そのことを含めて、今、議論を詰めている」と語った。