経済産業省、NTTデータ経営研究所などが18日発表した01年の電子商取引の市場規模調査によると、消費者向け(BtoC)が前年比80%増の1兆4840億円、企業間(BtoB)が58%増の34兆円に拡大した。ただし、消費全体の冷え込みや建設事業への電子入札導入の遅れなどが響いて、1年前に予測した消費者向け107%増、企業間66%増ほどには伸びなかった。
消費者向けでは、パソコン・関連製品が63%増の1480億円、旅行が95%増の1190億円に拡大した。ただし、いずれも予測を下回った。パソコン販売の伸び悩みや同時多発テロによる海外旅行手控えの影響という。一方で衣類・アクセサリーが580億円、趣味・雑貨・家具が490億円と、いずれも2倍強に増えた。カタログ通信販売のインターネット注文が広がったためという。
企業間では、電子・情報関連機器が26%増の15兆円だった。一方、自動車は部品調達だけでなく販売会社との取引も電子化が進んで、86%増の13兆5千億円に拡大した。化学、紙・事務用品、産業機械なども数倍から十数倍に増え、企業の調達が電子取引に移っていることを示した。
調査から5年後の06年の市場規模予測は、消費者向けが01年の10.8倍の16兆円、企業間が3.7倍の125兆円。企業間の中でも行政機関向け取引(BtoG)は公共事業への電子入札導入で急拡大が予想され、06年には6兆円を超える見込みという。(