【ワシントン17日=夕刊フジ特電】
アル・カイーダの“金”は、世界で生き延びていた−。今もなお、テロの黒幕ウサマ・ビンラーディン=写真=の行方が不明のなか、そのテロ組織アル・カイーダの大量資金が金塊となって各国に行き渡っているという。ワシントン・ポスト紙が報じたもので、猛爆をかいくぐった資金で、アル・カイーダの再構築が目指されている。
同紙によると、この情報は、米国やパキスタンの当局者などから得られたもの。アフガンの前政権タリバンと、アル・カイーダは、もともとラディンや世界のテロ組織から送られた資金を、ドルのほか、金の延べ棒やダイヤモンドなどの宝石・貴金属に換え、蓄財していた
だが、昨年10月の米軍による空爆開始後、アル・カイーダは、これらの資金を、パキスタンのカラチを経由して、運び屋にドバイに持ち込ませたという。
ドバイの金市場は世界最大級ながら、その管理は厳しいものではなく、アル・カイーダの運び屋に持ち込まれた1日200万ドルから300万ドルにも上るという資金が金塊、金の延べ棒に化けていったとされる。
年末にかけ、持ち込まれた資金はさらにアップ。アル・カイーダにとっては、安全で足のつかない金塊が世界各国に持ち込まれていった。さらに驚くことは、テロ最大の標的である米国にも、こうした金塊が大量に持ち込まれている、とされること。
ラディンが構築してきた世界的なテロネットワークは、まったく動じていない現状が浮き彫りになったわけだ。このため、米捜査当局は、アル・カイーダが大量の資金を使って、新たな国際テロを画策している可能性もあるとして警戒を強めている。