【ワシントン17日大島宇一郎】
日米の経営トップが両国間の諸問題について意見交換する日米財界人会議が十七日、ワシントン市内のホテルで開幕した。
全体会議で、共同議長のアームストロングAT&T会長が「企業再編、規制緩和、不良債権処理の三つの構造改革が重要だ。時間が敵だ」と述べるなど、日本に構造改革の加速を求める意見が相次いだ。同会長はさらに「米国では銀行も政府も(破たんした米エネルギー大手)エンロンを助けなかった。創造的破壊は日本とは対照的で、ダイエー救済を市場は前向きに受け止めていない」と、ダイエー救済を批判した。
これに対して今井敬経団連会長は「再建のめどが立たない企業に市場からの退出を促すことも必要だ」と指摘。銀行への公的資金注入についても「銀行の体力が不良債権処理の足かせになるならためらうべきではない」と積極姿勢を示した。
会議には、日米の財界人約六十人が出席。十八日にはIT(情報技術)、サービスなどで分科会討議をしたうえで、政策提言を盛り込んだ共同声明を発表する予定だ。