デフレか。それとも通貨切り下げか。日米首脳会談後の共同記者会見でのブッシュ大統領の発言をめぐって18日、東京外国為替市場が敏感に反応する一幕があった。
ブッシュ大統領は「不良債権問題やデバリュエーション(通貨切り下げの意)を話し合った」と発言した。市場関係者の間では「円安誘導を指した可能性もある」として一時的に円が売られドルが買われた。数十分後、米政府から正式に「デフレーションの言い間違い」と発表があったため、円安へのぶれは数十銭単位でおさまった。
市場が敏感に反応したのは、この日米国のニューヨーク市場がプレジデントデーで休みで東京の外国為替市場の売買が低調だったことも背景にある。大手銀行担当者は「『デフレーションの言い間違えだろう』と思いつつも動いてしまった」(大手銀行担当者)と話していた。
また、日本経済の最大の懸念とされている「デフレ」をブッシュ大統領が言い間違えたことについて、日銀では「米国が求めているのは、大きな意味での日本経済の回復。日本が想像しているほど、デフレを大問題とは考えていない証拠では」との意見も出ている。(21:24)