金融機関への公的資金再注入をめぐり政府内で食い違う発言を繰り返してきた経済閣僚が18日の衆院予算委員会で、足並みをそろえた。ブッシュ米大統領が日本を公式訪問している最中だけに、金融システムの安定化に関する発言がバラバラだと日米関係にも影響を与えかねないという判断が働いたとみられる。
柳沢伯夫金融担当相は従来通り「金融機関への再注入が必要な状況にあるとは聞いてない」と表明した。強制的な再注入に言及してきた塩川正十郎財務相は「表現は違っていたかもしれないが、(金融相と)考え方は一緒だ」と軌道修正。「不良債権処理が進んで金融情勢が変われば別だが、現在、再注入は必要ない」と強調した。再注入に前向きとされる竹中平蔵経済財政担当相も「金融当局が監督する話で、当局の見通しと同じだ。今年度に再注入が必要とは言っていない」と続いた。17日夜には小泉純一郎首相が福田康夫官房長官同席のもと塩川、柳沢、竹中の3氏を首相公邸に個別に呼び、再注入問題の意思統一を図った。その成果が18日の衆院予算委で早くも出た格好だ。