東京三菱銀行と三菱信託銀行が経営統合して設立した三菱東京フィナンシャル・グループは18日、富裕層を対象にした資産運用・管理を専門にする「三菱東京ウェルスマネジメント証券」を設立する。
本年度中に設立し、5月をめどに営業開始する。
東京三菱銀のスイスの現地法人である「スイス東京三菱銀行」を母体にした新銀行を設立、その子会社として日本に富裕層専門の新証券を立ち上げるのが特徴だ。
国際的なネットワークを駆使した本格的な資産家向けの専門会社を設立するのは、日本で初めて。
資産家の資産運用や相続の相談などを中心に、「プライベートバンキング」として多面的な金融サービスを提供する。金融取引の守秘義務に厳格なスイスに拠点を置くことで、顧客情報の管理を徹底。これまで富裕層取引の本場、スイスで東京三菱銀が培ったノウハウを活用する。
顧客には株式公開した起業家、資産家、地主、芸能人やプロスポーツ選手などを想定しており、国内の市場規模は9兆円規模に達するとみている。
資産運用面では米系コンサルタント会社大手のアッシュブリッジと提携、高度なサービスを提供できる体制を整える。
スイス東京三菱銀を母体とする新銀行には、過半数を東京三菱銀が出資、残りをグループ会社の国際証券、三菱信託が出資する。東京三菱銀の顧客基盤に加え、国際証券の証券取引、三菱信託の信託機能、資産運用力などグループのノウハウを結集する。
富裕層取引は日本の金融機関の取り組みが遅れていたため、外資系証券会社などに顧客を奪われるケースも多かったが、三菱グループのブランド力をてこに市場占有率を大幅に高める。