【ワシントン17日=坂本裕寿】
日米の代表的な経営者が両国間の経済問題を話し合う日米財界人会議が17日、ワシントンで開幕し、両国経済の現状と景気回復に向けた課題などについて全体会議が行われた。
冒頭、米側議長のマイケル・アームストロングAT&T会長は「米企業は、小泉内閣の聖域なき構造改革を歓迎したが、改革のスピードは不十分だ。特に不良債権問題が解決されなければ日本の景気回復は期待できない」と強調し、日本に構造改革の加速を促した。
米大手証券モルガン・スタンレーのロバート・スコット社長も「米国内外の市場参加者は、日本が不良債権問題など長年抱えてきた課題を解決できておらず、改革(方針)も言葉だけにとどまっているといらだっている」と述べるなど、日本の不良債権処理の遅れなどを指摘する意見が相次いだ。
これに対し、日本側からは今井敬・経団連会長が「米国も(1970年代の経済変調の後)90年代に繁栄(が回復)するまで20年かかっている。小泉改革は国民、経済界も時代の要請と感じて支持しており、今後の展開を見守ってほしい」などと説明し、米側の理解を求めた。
同会議は18日、情報技術(IT)、製造、サービス(金融)の3つの分科会を通じて米同時テロ後の日米経済の回復と改革をテーマで討議を行って閉幕する予定だ。
(2月18日10:45)