小泉純一郎首相と初来日したブッシュ大統領との日米首脳会談が18日午前、東京都港区の外務省飯倉公館で始まった。この中で、首相は不良債権処理やデフレ阻止への経済対策を説明し理解を求める。大統領は日本の経済再生に強い期待を表明。両首脳は国際テロ撲滅に向けた緊密な連携や日米同盟関係の強化を確認する。
会談に先立ち、ブッシュ大統領夫妻は同日午前、東京・代々木の明治神宮を参拝した。政府は当初、小泉首相が一緒に参拝する案も検討したが、政教分離原則に触れる可能性を考慮し見送った。同神宮には、カーター、レーガン両米大統領(いずれも当時)がそれぞれ1979年と83年の訪日の際、参拝している。
明治天皇を祭った同神宮は、神道形式の「二礼、二拍手、一礼」を正式な参拝方法としているが、ブッシュ大統領は過去の外国要人の参拝例に倣い、本殿でかしわ手を打たずに一礼する形式にしたとみられる。
大統領夫妻はこの後、小泉首相とともに敷地内で日本古来から伝わる武芸の流鏑馬(やぶさめ)を見学。走る馬から弓で鏑矢(かぶらや)を放つ勇壮な姿に見入った。
この後、小泉首相とブッシュ大統領は通訳ら小人数での会談を飯倉公館で開始。後半には川口順子外相、パウエル米国務長官らも加わる。
会談後の昼食会には日本側から塩川正十郎財務相ら経済閣僚が出席し、金融・経済問題について突っ込んだ意見交換が行われる見通しだ。その後、両首脳は首相官邸に場所を移し、共同記者会見して会談の成果を発表する。
会談で、首相は不良債権処理の一層の促進や金融システムの安定など5項目を中心としたデフレ対策を説明。早急に実行することを約束し、金融危機の回避に全力を尽くす考えを強調する。これに対し大統領は、デフレ対策の実行を強く迫るとともに、経済再生に取り組む首相の姿勢を支持する意向を伝える。
大統領はテロ対策に関して、自衛隊の米軍支援など日本の協力を評価。「対テロ戦争」勝利に向けた強い決意と、日米両国の協調の必要性を改めて表明する。
大統領が「悪の枢軸」と名指しした朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)問題への対応についても協議されるが、両首脳は対北朝鮮政策は日米韓の3カ国で緊密に連携していくとの従来の方針を確認する。
ZAKZAK 2002/02/18