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2月14日付・読売社説・[デフレ対策]「政府・日銀は危機克服へ協調せよ」〔読売新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 2 月 14 日 13:58:50:

日本経済の最大の病根であるデフレからの脱却に向けて、政府と日本銀行がようやく総合的な対策づくりに乗り出した。
小泉首相は早期のとりまとめを指示し、その概要を、来日するブッシュ米大統領に表明する。
小泉内閣は、デフレ下で異例の緊縮政策を進めてきた。このため、日本経済は金融恐慌前夜の状況にまで追い込まれている。物価下落と景気後退の悪循環を断たなければ、不良債権処理も構造改革も進まない。いくら他の政策を重ねても日本経済の再活性化は不可能だ。
危機回避のためには、政府と日銀がデフレ阻止の実現へ総力を挙げる必要がある。日本発の世界恐慌を起こさないためにも、可能な対策を速やかに集中実施しなければならない。
小泉内閣が遅ればせながらデフレ対策の策定を決めたのは、平均株価の急落など最近の市場の声に押されたからだ。
危機がここまで進行する前になぜもっと早く政策転換ができなかったのか。
政府、日銀で検討されている中身も、まだ中途半端でちぐはぐだ。
例えば、不良債権処理に対応して金融機関に公的資金を再注入することの是非について、意見が割れたままだ。
危機発生前の「予防注入」や「強制注入」を主張する竹中経済財政相や自民党に対し、柳沢金融相はいまだに注入に否定的だ。資本注入で足並みをそろえ、具体的な道筋を示さなければ、市場の疑心暗鬼は消えない。
インフレ目標についてもそうだ。
日銀はいまだに導入に消極姿勢を崩していない。政府は「下落を続ける消費者物価の上昇率を向こう二年間で0%にする」という緩やかな目標をすでに決めているが、より明確で強力なメッセージを送らなければ、民間はデフレ脱却の確信を持てない。
税制の視点も欠落している。不良債権の新規発生の背景には、地価の下落がある。土地税制の見直しなど、資産価格の下落を食い止める施策も重要だ。
日本では、消費者物価指数の下落が二年以上続いている。国内総生産も四―六月、七―九月の二期連続して前期比マイナスになった。すでにデフレスパイラルの初期段階に入ったと言ってもいい。
にもかかわらず、これまで政府と日銀の間だけでなく、政府部内でさえもデフレ対策の責任を押しつけ合ってきたきらいがある。
もはやそんな態度が許される段階ではない。早急に共通認識をつくったうえで小泉首相の言う「強力で実効性のある対策」をとる必要がある。
(2月14日08:45)

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