厚生労働省は2002年度の医療制度改革に合わせ、大企業のサラリーマンなどが加入している健康保険組合に対し、加入者への医療費補助を削減するよう指導する。加入者の自己負担が月額2万円を超えると補助する組合が多いが、補助基準を2万5000円超に引き上げるよう求める。健保組合の財政負担は減る半面、入院などで高額の医療費を支払った患者にとっては負担増になる。
今回の医療制度改革は医療費を抑制するため、患者、医療機関、健保組合などの負担を重くする方向。健保の補助削減指導は医療費が高額になった患者にも応分の負担を求め、改革を徹底する狙いがある。
健保組合に加入しているサラリーマン本人は外来、入院ともにかかった医療費の2割、その家族は外来で3割、入院で2割を自己負担している。医療保険では1カ月の自己負担が6万3600円を超えれば、超過分の払い戻しを受けられる高額療養費制度がある。ただ財政に余裕がある健保組合は独自に高額の医療費に対する補助制度を設けて、加入者の負担を減らしている。