【シリコンバレー16日=小柳建彦】
米国で企業決算が収益の実態を正確に表していないことへの不信感が一段と広がっている。IBMの事業売却益の計上の方法に対して米紙が疑問を呈しているほか、米証券取引委員会(SEC)によるマイクロソフトへの調査が続いていることも明らかになった。SECは新興ハイテク企業にも調査対象を広げている。こうした不信感は株式相場の重しになりかねない。
15日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は、IBMが光通信関連事業をJDSユニフェーズに売却して得た約3億ドルの利益を通常の営業費用から差し引く形で昨年10-12月決算に計上したと指摘。事前の市場予測との比較対象になる実質ベース(一時要因を除く)の一株利益から除くべきだったのではないかと疑念を呈した。IBMの10-12月期の実質一株利益は市場予測を0.01ドル上回る1.33ドルだった。報道を受けた同社の株価は4.6%下落、株式相場全体にも影を落とした。