喫煙など少年の不良行為に対し、49・8%の大人が「見て見ぬふり」をし、15・7%が「やむを得ないので放っておく」ことが、内閣府が16日に発表した「少年非行問題等に関する世論調査」で明らかになった。3人に2人の大人が少年非行に「ことなかれ主義」で臨むという“現実”が浮き彫りになった。
調査は2001年11月、全国の13―19歳の男女2000人と20歳以上の男女3000人を対象に実施し、成人の72・1%、未成年者の66・7%が回答した。
少年の不良行為を「注意する」大人は16・3%に過ぎず、「学校などに連絡する」(7・0%)、「警察官に連絡する」(4・9%)など何らかの対応をする人は、3割にも満たなかった。
非行少年を立ち直らせたり、非行防止の活動に参加する意思についても「ない」と答えた成人は40・5%で、1989年の調査よりも13・5ポイント増加した。
一方で少年による重大事件が以前に比べて増えたと感じている人は成年の92・4%、未成年の88・1%に上った。
非行の原因については「家庭環境」をあげた人が成人(74・3%)、未成年者(63・5%)ともに最も多かった。また、非行を招く社会環境で問題になるものについて、成人は「テレホンクラブなどのはんらん」(48・5%)「携帯電話の普及」(44・2%)をあげ、未成年者は「少年でも簡単に刃物などを手に入れられる」(41・6%)「テレホンクラブなどのはんらん」(32・6%)を上位にあげた。
いまの社会風潮の問題点について、成人は「社会全般のモラル低下」(49・1%)が1位だったのに対し、未成年者は「夢や希望を持ちにくい社会であること」(26・1%)を1位にあげた。