東京海上火災との統合前倒しが撤回された朝日生命は、リストラを加速させるため、内勤職員の削減数を計画の2倍の2000人に拡大する方針を固めた。早期退職制度などを活用し、今後2年間で実施する。15日にもこれらのリストラ策を正式発表する。
朝日生命の内勤職員は現在約6300人。今後2年間でこれを4000人程度まで減らすほか、残った内勤職員についても給与を1割以上カットする。また役員賞与も全額カットする方針。事業内容については、個人向けを強化する一方で、不振の企業向けについては営業体制を大幅に縮小。団体年金の新規引き受けを、今年4月から停止する。
「逆ザヤ」や保険契約者の流出など苦しい経営を強いられている同社は、先月末、東京海上火災との統合前倒しが白紙撤回されたことから、独力での経営立て直しが求められている。従来計画していた200億円の事業費策減額を、350億円規模に拡大。今回のリストラ計画の上乗せは、これを実現させるためのもの。
同社はまた、信用力回復のため第一勧銀に1000億円、大和銀、あさひ銀に計約500億円の基金拠出を要請しており、リストラを進めることで、銀行側からの理解を得たい考えだ。