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l アルゼンチン、世銀債務元本返済できず――経済危機さらに深刻
NAA 5603 : 2002/11/15金曜日10:37
【サンパウロ=窪田淳】アルゼンチン政府は14日、返済猶予期限を迎
えた世界銀行に対する約8億500万ドル(約970億円)の債務のうち元
本を
返済しなかった。国際通貨基金(IMF)からの支援融資交渉の合意が
遅れ、支払い余力がないのが理由。世銀との間の事実上のデフォルト(
債務不履行)で、同国の経済危機は厳しさを増している。
アルゼンチン政府が同日、世銀に返済したのは7920万ドルの金利部
分
のみ。昨年末に対外公的債務の支払い停止に陥った同国は、IMF・世
銀などの国際金融機関に対しては元利返済を続けてきた。
世銀は「現状改善に努めるというアルゼンチン政府の意向を歓迎する
が、返済遅延により罰則規定が適用される」との声明を発表した。
今回の債務の本来の返済期限は10月15日で、今月14日までは罰則のつ
かない猶予期間だった。この日の不履行により、世銀はアルゼンチンに
対する新規の融資案件の承認を停止し、金利減免措置の適用資格からも
外した。
さらに、同国政府が当初の期限から60日後にあたる12月14日までに元
本を返済しない場合は、承認済みの融資約20億ドル分の実行も停止さ
れ
る。
IMFや世銀との協議のためワシントンに滞在中のラバニャ・アルゼ
ンチン経済財政相は「IMFとの支援合意まで、世銀への元本支払いは
できない」と述べた。
過去の放漫財政や景気停滞の長期化で財政が危機的状況にある同国政
府は、2003年末までの国際金融機関に対する債務返済を繰り延べる方向
でIMFと交渉中。当初は14日までの合意を目指したが、同国の経済改
革の遅れなどから合意に達しなかった。
同国政府は世銀債務を外貨準備を取り崩して支払う方法もあったが、
現在同国の外貨準備高は約98億ドルどまり。IMFは90億ドルを割
れば危
険な水準と指摘しており、政府はかねて外貨準備の取り崩しには消極的
だった。
世銀への事実上のデフォルトを受け、アルゼンチン通貨ペソの同日の
対ドル相場は小幅下落。代表的な株価指数であるメルバル指数は442.07
と3.3%下がった。