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株式相場の低迷に伴う収益環境の悪化に対応し、欧州の大手金融グループが人員削減を強化している。主要グループが表明した削減計画は投資銀行部門の縮小を柱としており、合計で六万人規模に達した。特に株価下落が経営に打撃を与えている保険会社は増資による財務体質の改善に乗り出した。
【ロンドン=佐藤大和】独銀三位のドレスナー銀行は先月、英国に拠点を置く投資銀行部門を中心に三千人の人員削減に踏み切る方針を固めた。四―六月期に十億ユーロ(千百六十億円)の最終赤字を計上。自社の株価急落に波及した親会社の保険最大手アリアンツが追加リストラを厳しく求めたためだ。
独銀最大手のドイツ銀行は地元ドイツを中心に英国、米国拠点を含めて合計一万四千五百人の人員削減に踏み切る。独銀二位のヒポ・フェラインス銀行(HVB)も九千人、四位のコメルツ銀行も三千四百人の削減をそれぞれ打ち出した。「出張費やホテル代、社有車などあらゆるコストの削減を徹底して収益改善につなげる」(HVB)という。
独四大銀がそろって大規模リストラに追い込まれたのは、大企業や機関投資家を対象にした金融仲介業務を担う投資銀行部門が低迷しているのに加えて、足元のドイツ経済が不振なことも背景にある。スペインのサンタンデール・セントラル・イスパノ(BSCH)やオランダのABNアムロは南米など海外拠点の人員を縮小する。
資産に占める株式の割合が大きい保険会社も株安が経営を直撃している。生命保険と損害保険を兼営する英ロイヤル・アンド・サン・アライアンス(RSA)は生保営業から撤退して浮いた千二百人をカットする。赤字転落したスイスのチューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズは五日、四千五百人の人員削減策をまとめた。
投資銀行業務の中心地である英シティーでは、金融機関の業務縮小や撤退観測が相次ぎ浮上。欧州勢に加えてメリルリンチやモルガン・スタンレーなど米国勢、経営統合を経た日本の銀行も陣容を縮小し始めており、金融機関の就業者数は八月末時点で前年同期に比べて一万人減った。
【表】欧州の大手金融グループの人員削減計画(人)
○ ドイツ銀行 14,500
○ スペインBSCH 11,000
○ 独HVB 9,000
○ 蘭ABNアムロ 5,000
○ 英ロイズTSB 5,000
○ スイスチューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズ 4,500
○ 独コメルツ銀行 3,400
○ 独ドレスナー銀行 3,000
○ 西ドイツ銀行 1,500
○ 英RSA 1,200
○ 仏アクサ 700
○ 蘭エイゴン 600
○ スイスUBS 500