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ハーレーダビッドソンジャパンホームページ - 歴史、各種モデルやパーツ等の紹介、イベント等の案内、正規ディーラー一覧等。
http://www.harley-davidson.co.jp/
大型オートバイメーカーであるハーレー・ダビッドソンの業績が好調だ。年間純利益と売上高がともに昨年まで十六年連続過去最高を記録、今年も記録更新する勢い。オートバイの生産・販売だけでなく、米国の文化やライフスタイルを象徴するブランドになっており、顧客の強い「忠誠心」が成長を支えている。
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ハーレー・ダビッドソンは来年、創業百周年を迎える。すでに今年夏から記念行事が始まっており、全世界のハーレー・ファンがアトランタを皮切りに記念バイクツアーを開始。シドニーや東京などを経て、来年夏には同社の本拠地ミルウォーキーに集結する。
一九〇三年にウィリアム・ハーレー氏とアーサー・ダビッドソン氏が小屋でオートバイを作ったのが同社の始まり。大恐慌や世界大戦を乗り切り、コカコーラやマクドナルドと並ぶ米国の世界ブランドに上り詰めた。
苦境も経験している。とくに日本製オートバイが米国に上陸し、当時のハーレーをしのぐ高品質を売り物に販売シェアを拡大した八〇年代は厳しい試練に直面した。
経営危機寸前で、現在の最高経営責任者(CEO)のジェフリー・ブルースティン氏を含む十三人の経営幹部が自己資金を出し合って八二年にマネジメント・バイアウトを実施。元エール大学のエンジニアリングの准教授だったブルースティン氏による製品の品質改善もあって、業績は徐々に向上した。八六年には新規株式公開を果たした。
それ以降、二〇〇一年まで同社の株価は年率約四〇%のペースで上昇。同じ年に株式公開したマイクロソフトの上昇率と肩を並べるほどだ。
今年七―九月期の決算では売上高が十一億四千万ドルと前年同期比三二%増、純利益は四八%増の一億六千五百万ドル。ともに四半期ベースで過去最高だった。オートバイの販売が最も伸びたのは米国で、前年同期に比べ一九・一%増加。次いで日本(一三・九%増)、欧州(八%増)だった。
米国での根強いハーレー人気は顧客の忠誠心が支えだ。会社の成り立ちそのものがアメリカンドリームの象徴でもあり、ハーレーの製品は「米国文化を体現する」として受け入れられている。「会社のロゴを腕に入れ墨するのはハーレーぐらい」といわれるくらい、顧客は同社ブランドへの信仰が強い。
ハーレーに乗る人は、一九五〇年代に一世を風靡(ふうび)した米国の暴走族ヘルズエンジェルズに代表される反逆者のイメージが強い。だが現在、顧客の中心はベビーブーマー世代の弁護士や医者など高額所得者で、週末だけ革ジャンに身をまとう「反逆者」。ハーレー社によると平均的な顧客は年齢四十五歳、年収七万八千ドルという。
同社製品は平均が一万―二万ドル程度と高額だが、「株安の中でもレジャーへの出費は惜しまないベビーブーマーの消費行動を反映している」(米アナリスト)との見方は多い。
ハーレー・オーナーズ・グループ(HOG)というファンクラブを八七年に設立。「オーナーはみな家族」との趣旨で顧客の連帯感を強めるのに一役買っている。会員数六十五万人を擁するHOGはマーケティング戦略に生かしている。
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グループ内に金融サービス子会社を抱え、最低一〇%程度の頭金で購入できるようにした。通常二五%程度の頭金を求める銀行ローンより有利に設定した。低金利による資金調達コスト低下を追い風にして、金融部門の七―九月期営業利益は二千九百七十万ドルと前年同期比八三%増加した。
懸念材料がないわけではない。ベビーブーマー世代の高齢化による業績拡大ペースの鈍化だ。業界統計によると、二十五―三十四歳の米国人が乗るオートバイの九割強はホンダ、ヤマハ、カワサキの日本製。顧客の世代交代に対応して、若年層にどうアピールしていくかが、ハーレーの成長路線を左右しそうだ。
(ニューヨーク=伴百江)
【図・写真】ハーレーブランドのオーナーは熱烈なファンが多い