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l 株、政府に届くか市場の声――証券税制でも「縦割り」の弊害?
NAA 1595 : 2002/11/12火曜日17:25
【NQN】12日の日経平均株価は4営業日ぶりに反発した。ただ、上げ
幅はわずか4円40銭。東証1部の売買代金も4日連続で5000億円台にと
どまり、バブル経済崩壊後の安値水準にもかかわらず、値ごろ感からの
買いが入らない。市場はまさに機能停止とも言えるが、その証拠が証券
株の不振ぶりにみてとれる。一部証券会社の顧客情報漏えい事件があっ
たとはいえ、業種別東証株価指数で「証券・商品」の下落率は首位だっ
た。
「もうからないうえ、ややこしい証券税制では株式に新規投資する気
になれない」。株式投資歴20年以上の中小企業経営者はこう話す。長年
、株の下落局面では押し目買いを入れる投資方針を貫き、情報技術(I
T)相場のピーク時(2000年春)には、ソフトバンク株の含み益だけで
数億円あった。しかし、現在では運用資金も2000万円程度に減少。最近
は「辛抱すれば、いずれは上がる」という自信もなくなったという。
加えて、複雑な証券税制の導入も投資意欲をそいだ。これまでは、売
却代金の1.05%が自動的に徴収される源泉分離課税を選択していたため
、納税手続きは不要だった。ところが、来年から申告分離課税に一本化
されるため、税務署に申告するなど納税の手間がかかる。証券会社が納
税を代行する特定口座を利用したとしても、それは譲渡益課税の中の国
税(所得税)の部分までで、地方税(住民税)は投資家本人が手続きし
なければならない。特定口座の利用促進を妨げている要因の一つで、あ
る準大手証券のストラテジストは「国税、地方税の垣根を越えて一括徴
収できないのか」と憤る。これに対し、地方税を管轄する総務省は「現
時点でそういう議論は始めていない」(市町村税課)と腰が重い。「国
税と地方税の課税方式が違う」(同)ためだ。
そんな態度を見透かしてか、市場では「今回の証券税制改正で最も得
したのは総務省」との皮肉が漏れている。源泉分離課税では地方税が徴
税できなかったが、申告分離課税になれば税収が倍増する見込みのため
だ。株式市場活性化の切り札として、「ペイオフ凍結解除の延期のよう
に、土壇場で新証券税制導入の凍結を期待する」(上記の経営者)との
声は果たして政府に届くだろうか。(永井洋一)
以上クイック