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(回答先: なぜ邦銀はBISにこだわるのか>あっしらさんへ 投稿者 楽観派 日時 2002 年 11 月 10 日 16:29:01)
楽観派さん、こんにちわ。
政府や邦銀がBIS規制にこだわっていることを好意的に解釈すれば、日本企業の国際活動をサポートするという建前的な話を別にすれば、国際的な金融利得は財の輸出と同じように国民経済の主要な利益源になるからだと思われます。
国民経済内の金融利得は、たんなる通貨の移転でしかありませんが、国際金融利得は、通貨的“富”の純増になり、きちんと再投資すれば国民経済を成長させる働きをします。
(貿易収支の黒字も所得収支の黒字も、通貨的“富”の純増という視点では同じです)
このような役割を持つ国際金融利得を得るための活動を行うためには、BIS規制をクリアすることが必要条件になります。
BIS規制そのものは、国際取引の広がりと量的拡大から、国際金融の連鎖的な破綻ひいては各国金融の連鎖的な破綻をできるだけ防止するための措置と考えることができます。
少し斜に構えて解釈すると、BIS規制が邦銀を規制するためのものと言えます。邦銀が、厖大な資金量を梃子に国際金融で利益を上げ続けることを認めないという規制です。
しかし、それと同時に現状では、厖大な金融資産を保有している邦銀が国際取引に参加しなければ、他の金融家の利益原資が減少するため、どうしても邦銀には抜けてもらうと困るということも言えます。
邦銀は金融利得を実現するつもりで国際金融活動を行うが、その上手をいく欧米銀行は、邦銀の活動からも金融利得を実現するということになります。
>しかし、私は思うのですが、日本の銀行なぞ、しょせん東アジアのローカル銀行、国
>際決済を手がけれるのが身の程知らずであり、BISの勧告は干天の慈雨、これを気
>に邦銀はすべて海外業務から撤退してしまえばよいのです。
そのような考えも成り立ちます。
また、欧米圏から撤退し、中国などアジア諸国に限定して海外業務を行うという考えもできると思っています。
>そうすれば株価が下がろうと、持ち合い解消がどうであろうと関係ありません。同時
>に、経済危機の際にはできるだけ資金を自国に置くというのが鉄則ですから、100
>から300兆円といわれる日本の流動性海外資産を処分し、リパトリを行いそれを銀
>行の自己資本の充実にあてればよいのです。
流動性海外資産そのものが、自己資本ではなく、債務(預金)に対応したものですから、せいぜいが利益分を自己資本に組み込むことができるだけです。
邦銀は、実際にも、不良債券処理のためにそのようなことを行ってきました。
邦銀は、利益源を海外金融活動と日本国債に求めてきたというのが実態です。
海外金融活動は、米国と欧州がご存じのような経済状況ですから、そこから利益を上げ続けるためには高い“能力”が必要になります。(能力がないとカモになります)
自己資本の充実にはそれほど貢献しませんが、身ぐるみ剥がされないうちに徐々に引き揚げていくという対応は求められます。