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竹中・木村の劇薬コンビが、銀行を“大口撃”−。竹中平蔵金融・経済財政担当相と、金融分野緊急対応戦略プロジェクトチームのメンバーで日銀OBの木村剛氏が、土日の民放番組と講演会でそれぞれ銀行批判を展開した。先週末8日夜に、大手銀行の大アマ自己査定を暴露し、対銀行バトルの第二幕を宣戦布告した劇薬コンビ。先制の奇襲攻撃に続き、すかさず二の矢を放つことで、バトルを有利な状況に持ち込むつもりのようだ。
「現状を変えたくない人たちがいる。私はこれが抵抗勢力の本丸だと思う」
竹中氏は10日の民放番組に出演。先に打ち出した不良債権処理加速策で、当初案の超ハードランディング(強硬)路線に対し、結束して反対した大手銀首脳や与党を厳しく批判した。
処理加速策をめぐっては、大手銀首脳がそろって記者会見し、異例の共同声明を発表。自民党の麻生太郎政調会長や相沢英之デフレ対策特命委員長らも竹中攻撃を展開した。この結果、自己資本の算出基準の厳格化が先送りとなるなど、竹中氏の当初案は大幅後退を余儀なくされ、バトル第一幕はとりあえず大手銀・与党側の“優勢勝ち”で終わった。
番組で竹中氏は「そういう人たちがいろいろなキャンペーンを張り、議論を混乱させた面がある」と語り、恨み節を爆発させた。
一方の木村氏も9日に東京証券取引所で開かれた個人投資家向けイベントで講演。「(銀行を)信用するのは難しい」と、さらに辛辣(しんらつ)だった。
「経営陣が退職金をもらうために自己資本比率を保ち続けようとすれば、貸出が増えるはずがない」
「給料が高いのは金貸しのプロだから。本業で見通しをはずしているから信用が戻ってこない」
「日銀が金融緩和を続けても、銀行は国債を買っているだけ」
木村氏は次から次へと銀行批判を展開。「国は役に立たない。年金も破(は)綻(たん)している。家族と財産は自分で守るしかない」と締めくくった。
金融庁は8日夜に突然、銀行による貸出資産の自己査定と、金融庁の検査結果の格差を発表したが、自己査定が甘いと批判してきた竹中・木村コンビが主導したのは明白。矢継ぎ早の銀行批判には、今後の処理加速策の「工程表」づくりを有利に進め、巻き返しにつなげたいとの意図も込められているようだ。