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竹中平蔵金融・経済財政担当相(51)が大手銀行に宣戦布告し、バトル第2弾の幕が開いた。金融庁は昨8日、大手銀がいかに貸出債権を甘く自己査定しているかを示す『証拠』を公表。次回の検査までに大アマ査定が改善されない場合、大手銀に対し、業務改善命令の強権を発動する方針を示した。先の金融再生プログラム取りまとめの過程で、自己資本の計算法である税効果会計をめぐって竹中氏に大逆襲に出た大手銀がいよいよ、不良債権処理加速の『洗礼』を受けることになる。
株式市場への影響を配慮して、金融庁は8日、貸出債権に対する銀行の自己査定と同庁の検査結果との「格差」を初めて公表した。
同庁が平成12年3月期から13年9月期までの間に実施した検査(1巡目検査)で、当時の主要15行は回収に問題のある債権と不良債権の総額を約35兆円と、本来より約12兆円も少なく自己査定していた。
この検査によって、36%も問題債権と不良債権が膨らんだ形だ。
この大アマ査定がそのまま通るわけもない。主要15行は不良債権処理額を47%(約5兆円)も積み増し、約15兆円を処理するハメに。このうち5行は、50%以上も処理額が増加したというからあきれ果てる。
金融庁は格差が生じた理由について、「現行の検査体制に移行後、初めての検査で、銀行が不慣れだったことが大きい」とする。だが、同業者からはこんな声も出る。
「決算の数字を悪くしたくないから、確信犯的に甘く自己査定していただけのこと。貸出債権を厳しく査定し、決算の数字が他行より極端に悪くなると、経営責任を問う声が出てくるからだ」(外資系金融機関幹部)
そんなモラルハザード(倫理欠如)が問題化したのが、昨年9月に破綻(はたん)した大手スーパー「マイカル」がいい例だった。
「本来ならマイカルは『破綻懸念先』に分類されるべきだったが、取引銀行は回収に注意が必要な『要注意先』に大アマ査定していた。
それがいきなり破綻したことで、銀行はどんな査定をしているのかと問題化。昨年秋から今年春にかけての特別検査につながった」(同)
13年9月期以降、主要12行に対する検査(2巡目検査、現時点で5行集計)では、さすがに格差は縮まっている。
問題がある債権と不良債権の総額は、銀行の自己査定より14%増の13兆7000億円となっている。不良債権処理額は自己査定より24%増の4兆2000億円だった。
この改善を良しとする向きは少ない。「マイカル破綻を経験し、特別検査があって、なおかつこれだけの格差がある。甘く査定するのが習性になっている」(金融担当アナリスト)との声も。
業を煮やした金融庁は来年2月にも再び特別検査を実施し、銀行の大アマ査定を一掃させる。
10月30日に発表された金融再生プログラムを取りまとめる過程で、モラルハザードを起こしまくる大手銀グループの首脳は、与党の勢いも借り、竹中氏の税効果会計見直しに徹底抗戦した。
その結果、問題債権の償却時に支払った税金を、将来還付されるものとして自己資本に組み入れる繰り延べ税金資産を米国並みに厳格化することは、当面見送られた。
苦杯をなめた竹中氏は大アマ査定の公表、2月にも実施される特別検査で大手銀行に対する反転攻勢に打って出る。