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「言葉は100点、実行力0点」−−伊藤忠商事の丹羽宇一郎社長(63)が、小泉内閣の経済政策をズバリ切り捨てた。社長に就任しても電車通勤を続け、自らの給与を返上してまで社内改革に取り組んだ末、大赤字だった同社を過去最高益を出すまでにしただけに、単なる“外野”からの苦言と違って重みがある。
「社長になってから、経済関連指標は全部マイナスだ」とも。さすがにたまりかねていたのか、8日に発表した同社の14年9月中間決算会見の席上、小泉内閣の総合デフレ対策を酷評した。
不良債権の処理加速について、銀行の貸し渋りや貸し剥しがひどくなり、失業者増加、デフレ悪化へと結びついていくと分析した上で、不良債権の処理だけでなく、雇用対策や株式譲渡益の無税化などの大胆な対策を同時に進めるべきだと主張し、「デフレだというのに政府には売りの政策しかない。需要を創造する買いの政策をそれ以上に進めなければ経済は上向かない」と批判した。
丹羽氏は、平成10年に社長に就任してからも約1時間の電車通勤を続け、12年7月からは「会社が苦しいので当分無報酬で働く」と宣言。3カ月間給与を返上して、世間をうならせた。
こうした「まず隗より始めよ」の姿勢を貫いたからこそ、1000社あった子会社を300つぶし、“小姑”にも退陣してもらってウミを出し切ることができた。その結果が社長就任から2年半ほどで、1600億円を超える経常利益を出すまでの「V字回復」だ。
その丹羽社長をして「企業がどれほど頑張っても国家の信頼が失われている以上、自分たちの努力に限界がある」と言わしめるほどの最近の経済情勢だ。
丹羽社長が電車通勤を選ぶ理由は、「目線を世間の常識に合わせておかないと、裸の王様になるから」だという。小泉さんも、世間の目にはデフレ対策がどう映っているのか注意しないと、“裸の総理”になってしまうかもしれない。