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金融庁は8日、大手行対象に実施した検査結果と、銀行側の自己査定とのかい離を初めて公表した。00年から01年にかけて行った1巡目の検査では、不良債権などの査定額は約12.4兆円(かい離率35.9%)も開きがあり、当時の銀行の自己査定の甘さが浮き彫りになった。しかし、昨年から実施した特別検査を受けて銀行側が自己査定を厳しくしたため、2巡目検査ではかい離率は14.5%に縮小している。金融庁は、先月30日に公表した「金融再生プログラム」に基づき、今後理由なくかい離是正の努力をしない銀行には、業務改善命令を発令する方針。
金融庁は00年から、金融検査マニュアルに基づき各銀行の資産査定や不良債権処理が適正かを検査している。大手15行を対象に00年3月期から01年9月中間期までの決算をもとに実施した1巡目検査は、不良債権や不良債権予備軍とされる要注意先債権などの合計額は、自己査定では約34.6兆円だったが、検査では約47.0兆円に上った。
しかし、大手12行対象に、01年9月期以降の決算をもとに実施している2巡目検査では、検査を終えた5行の自己査定約12.0兆円に対し、検査結果は約13.7兆円とかい離率は縮小。不良債権処理額のかい離率も1巡目検査の47.1%から2巡目検査では23.7%に低下した。
金融庁は「1巡目は初めての検査で、銀行に検査内容が浸透していなかったため、かい離幅が大きかった」と分析している。【小林理】