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鬼の平蔵、特別検査へ−。金融庁が来年2月にも大手行に対し、大口融資先に絞った特別検査を再実施する方針を固め、竹中平蔵金融・経済財政担当相のハードランディング路線の第1弾が口火を切る。厳格な査定で不良債権をあぶり出し、方針に従わない銀行には業務改善命令など強権発動も辞さないとの構えに、銀行は経営が圧迫され、大企業も破綻ラッシュとなる可能性が高まった。
再検査は、平蔵3原則の一つ、「銀行の資産査定の厳格化」を具体化したものとなる。
金融再生プログラムでは、要管理債権の査定について将来の収益を見込んで現在価値を算定する「ディスカウント・キャッシュフロー」という米国流の厳しい手法の導入を打ち出しており、金融庁は年明けにもこの方式による自己査定のガイドラインを作る。
大手行は、そのガイドラインに沿った形で自己査定を行い、それを受けて来年2月に再検査に入る、という段取りだ。
大手行への特別検査は、柳沢伯夫・前金融相当時の昨秋から今春にかけて1度実施されている。
この際は、債務者区分が「要注意先」だったマイカルが昨年9月に破綻、銀行の自己査定の「甘さ」が問題視されたことをきっかけに、100億円以上の大口融資先149社を対象に行われた。
その結果、不良債権処理額は1.9兆円増加。破綻に追い込まれた企業も続出したが、依然として 「銀行の自己査定は金融庁の検査より2−3割甘い」と指摘されている。
今回の検査では、銀行間で異なる債務者区分を厳しい方に統一、前回の検査後の再建計画の進捗状況も厳しくチェックする。
さらに金融庁と銀行の自己査定の格差についても公表し、是正されない銀行については業務改善命令を発動するといった徹底ぶりだ。
検査対象の企業についてはあらためて選びなおすが、「大手30社リスト」や「51社リスト」で挙げられた企業の多くも含まれるとみられる。
「平蔵特別検査」の結果、大手行の要管理債権の引当率は現在、15−20%程度だが、30%以上への引き上げを迫られそうだ。引当金の積み増しを迫られ、経営体力はますます弱体化する。
銀行は貸し渋りや貸し剥がしを進め、これまでに金融支援を受けて生き延びた「ゾンビ企業」も検査の強化で、死亡宣告を受けることもありうる。デフレという暴風雨の中、危険な強硬着陸は成功するのか。