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総合デフレ対策の鍵を握る「産業再生機構」の特命担当相に就任した谷垣禎一国家公安委員長。来年度の発足に向け、「行司役」として手腕を奮うことになるが、機構自体が一民間企業の“生死”を決断する「閻魔(えんま)大王」的な役割を担い、再生どころか企業をつぶす矛盾点も抱える。社長には日立造船相談役の藤井義弘氏の起用が有力となるなど急ピッチで準備は進むが、“元締め”の谷垣氏は「そごう問題」で、国民から大批判を浴びた人物。これで大丈夫なのか。
官民共同出資の金融機関として来年4月を目途に発足する産業再生機構。目的は銀行が抱える「要管理貸し出し債権」のうち、再生が可能と判断したものを買い取り、問題・不振企業を復活させることにある。
機構のポイントは、(1)関係省庁の利害とは無関係で公正かつ求心力をもつ組織にする(2)再生できるか否かを選別する“わかりやすい”ルールをつくる(3)十分な財源を確保する−の3点である。
設立準備室がスタートし、詳細を年内に詰め、設立の手続きや法律の制定を進める予定だ。
準備室長には、旧経済企画庁出身の江崎芳雄内閣府政策統括官が内定。スタッフは総勢30人規模で、財務省や経済産業省のほか、金融庁や国土交通省なども含めた混成部隊になる予定だ。
準備はともかく、問題は谷垣氏の力量。8日午前の就任会見で「(企業選別について)市場でスムーズに進んでいない現状では、ある程度行政が乗り出さざるを得ない」と「閻魔大王」になりきる抱負を語った。
実際に機構がスタートすると、再建不可能と判断された企業は、その債権を整理回収機構(RCC)に送られたり、法的整理(倒産)に追い込まれる公算が大きい。
非情な決断を下すことになるが、谷垣氏は2年前の「そごう問題」の際、金融再生委員長として、国民の税金を大量投入しようとし、大批判を浴びた人物である。
結果的に自民党が谷垣氏の方針をホゴにし、そごうは法的整理された。後ろめたい“過去”から「行司役で大丈夫なのか」との声も漏れる。
機構の初代社長に有力な日立造船相談役の藤井義弘氏。元三和銀副会長で産業再生に詳しい財界の論客で知られるが、悪評高いRCCの債権買い取り推進本部アドバイザーという肩書も持つ。
このほか、花王特別顧問で経済同友会副代表幹事・専務理事の渡辺太郎氏▽日立製作所顧問の磯辺朝彦氏▽日本経団連名誉会長の今井敬氏の名も浮上している。
いずれにせよ、産業再生機構は前途多難だ。