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竹中平蔵経済財政・金融担当相は8日午前の衆院財務金融委員会で、銀行が大量の国債を保有している状態について「リスクをとって利ざやを稼ぎ、経済に貢献していくべき銀行が、多くの不良債権を抱えているがゆえに、ともすれば安易に国債を買い、コンフィデンス(信用)に影響をもたらしている状況は、やはり決して健全な状況とは思えない」と懸念を示した。民主党の永田寿康氏の質問に答えた。
永田氏はまず、「銀行は80兆円もの国債を保有している。発行残高は600 兆円くらいだが、これは東京証券取引所の株式時価総額の数倍にのぼる」と指摘。「株式市場の時価総額の数倍にものぼる国債が、1%そこそこの金利で円滑に消化されてしまうほど、金融マーケットはゆがんでいる」と分析した。
さらに、「銀行にとっては、株式の保有は上限が決められた。土地担保融資はできないし、民間企業への融資もままならない。国債だけが、唯一、青天井でカネを突っ込める資産になっている」と、金融機関が国債購入に走るのは、金融制度に欠陥があるためだと説明。「こんな不健全な状況をいつまで放置しておくのか」と、強くただした。
これに対し、金融相は「国債の問題は、経済財政担当と金融担当の接点に位置する、非常に重要な問題。ご指摘の状況が、いくつかのリスクをはらんでいるということは、大変に傾聴に値する」と理解を示した。
そのうえで、不健全な状態を解消するためには、「マクロ的には国債のコントロールをしっかりしていくような経済財政運営をすること」と、財政規律維持が必要と述べた。同時に、「金融の側にとって、これはまさにリスク管理の問題そのもの。銀行がどのようなリスク管理を行っているのかをしっかり監督する。そのような状況が解消できるように、不良債権処理を進め、健全にリスクをとれる銀行になってもらうことが重要だ」との持論を展開した。
一方、谷口隆義財務副大臣は「企業の資金需要が低迷し、貸出資金も減少しているので、国債保有残高が増加している。金融機関の資産のポートフォリオは、金融機関が決めることなので、政府がどうこうということではない。金融機関側がこのようなポートフォリオを選好している」と述べた。
しかし、「財政規律の維持の観点から、国債保有者が集中するのは避けなければいけないので、保有者の多様化を図っている。市場のニーズを踏まえて適切な発行に努めたい」と語り、個人向けの国債発行など、財務省として発行手段の多様化を進めていると説明した。