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長期金利1%割れ!今後も続く?(MSNマネー) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 11 月 08 日 11:18:12:

政府が発表した総合デフレ対策に失望してか長期金利が大きく低下。景気低迷とデフレ定着をマーケットは織り込んでいるようだが、今後も金利の低下は続くのだろうか。
3連休前に長期金利が大きく低下した。新発10年国債利回り(終値)は、10月31日に4年ぶりの1%割れ、そして1日には0.975%まで低下した。長期金利の低下は、マーケットが今後も、(1)景気低迷が長引く、(2)デフレが続く、と予想していることを意味する。デフレ対策が予想通り力不足であり、かつ不良債権処理促進策もスピード感がなかったこともマーケットの失望感を高め、金利低下(=債券需要の増加)を後押しした。
では今後、金利の動きはどうなるだろうか。不良債権処理の加速を求められている大手銀行は、自己資本比率の維持に必死になるだろうから、リスク資産にならない国債は投資対象として魅力的。国債増発懸念や金融行政の混乱など波乱要因があるとはいえ、金利は大手銀行の需要増を背景に、年末まで0.9〜1.1%程度で推移するだろう。
年明け以降の金利はさらに低下する可能性が高い。米国経済が年末にかけてかなり弱含むほか、日本景気も早ければ来年早々にもピークをつける可能性が高まっている(前回コラム「景気はもう冬?どうするの?冬支度」ご参照)。こうした世界同時的な景気後退色が強まれば、日銀も中長期国債の買い入れ額を増加するしかない。資産査定の厳格化や繰り延べ税金資産の評価の厳正化、優先株から普通株への転換、銀行への監視強化などの実施可能性の高まりとともに、大手銀行の「貸出圧縮&国債投資の積極化」行動は強まるばかりだろう。結局、新発10 年国債利回りは低下し続け、史上最低水準(0.775 %:98年10月)を更新することもありえる。
財政政策が緊縮型を続けていることも、こうしたシナリオの現実味を高めている。先日の衆参統一補欠選挙で自民党など与党が大勝したことから、小泉政権の緊縮財政路線は続く可能性が高い。小泉政権の公約である新規国債発行額30兆円枠は予想以上の税収不足により維持不能になる見通しだが、今年度の補正予算規模は小さく、長期金利を急上昇させるほど国債需給が悪化するとは考えにくい。
財政政策が変更されるとすれば、そのきっかけは小泉政権の崩壊だろう。内閣支持率は北朝鮮・拉致問題の対応が好感され再び60%を越えている。しかし景気悪化が続き、不良債権処理加速に伴う失業の増大が顕著になれば、内閣支持率が田中真紀子外相・更迭時のように大きく下がる可能性が高まる。来春の統一地方選挙で与党大敗という事態になれば、来年9 月の自民党総裁選で小泉首相が三選されないことも想定できる。
簡単にまとめれば、来年春頃まで長期金利は低下基調を続け、その後、政治情勢次第で金利反転の可能性が高まることになる。最近とくに思い出すのが、「国・地方の長期債務残高が巨額だから、長期金利はいずれ急騰する!」と叫んでいたエコノミスト達の姿。彼らは現在の長期金利低下現象をどのように説明するのだろうか。エコノミスト業務は本当に難しいものだ。

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提供:株式会社FP総研

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