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政府は7日、不良債権処理の受け皿として企業再生のため創設する「産業再生機構」(仮称)の債権買い取り財源を確保するため、預金保険機構の公的資金枠を拡充する方向で検討に入った。再生機構は、公的資金枠のうち「金融再生勘定」(12兆円)を活用する方針。しかし、同勘定は整理回収機構(RCC)による不良債権買い取りで目減りしており、不良債権処理を加速するためにも大幅な上積みが必要と判断した。
産業再生機構による債権買い取りは10兆円規模に達する可能性もあり、金融再生勘定の12兆円の枠を20兆円程度に拡大する方向で、金融庁と財務省の調整が進むとみられる。
産業再生機構は、預金保険機構の下にRCCと並列の機関として設立。RCCの買い取り対象に含まれない「要管理債権」(大手行で約12兆円)のうち、再生可能と判断した企業向けの貸し出し債権を買い取る。企業再生のため緊急に必要な融資や保証業務も行うため、必要な資金量は膨らむ可能性が強い。
金融再生勘定のうち、01年度末で5.3兆円が政府保証をつけた民間銀行からの借り入れでRCCの不良債権買い取り資金に使われている。産業再生機構が創設され、大量の不良債権買い取りや企業再生資金の需要が集中すると、同勘定の資金が枯渇する恐れがある。
預金保険機構の公的資金枠は総額70兆円。金融再生勘定のほか、ペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円とその利息とする措置)コスト内で破たん金融機関を資金援助するための「一般勘定」(13兆円)や、金融システム危機に対応して銀行に公的資金を投入するための「危機対応勘定」(15兆円)などがある。
【小林理】