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「9月30日にまとまった政府の『総合デフレ対策』を進めていく中で、経済産業省の動向には要注目だ。特に大臣官房に密かに設けられた“プロジェクトチーム”の動きからは今後しばらく目が離せないだろう」(経産省中枢幹部)
昨日(11月6日)政府は、不良債権処理を産業再生と一体で進めることを目的に設立する「産業再生機構」(仮称)の役割や運営方針を決める機関、「産業再生・雇用対策戦略本部」を今月12日に発足させることを決めた。
そして、この“戦略本部”の発足に合わせて、産業再生機構を所管する特命相を置き、この特命相が産業再生機構に関する設置法案の作成作業を進めていくことになる。
「現在、この特命相については、谷垣禎一国家公安委員長の就任が有力視されています。そして実際の実務は、特命相の下に組織される“産業再生機構設立準備室”が行うことになる方向です−」(官邸中枢スタッフ)
この設立準備室については、内閣府の中に置き、そのスタッフについては金融庁、財務省、経産省、国土交通省から実務者を出向させるのに合わせて、銀行業界や経済団体に対しても人材の提供を要請する方向だ。
「設立準備室の陣容は、最終的に20〜30人規模になる見込み」(前述の官邸中枢スタッフ)
前述の経産省中枢幹部が言う。
「その“設立準備室”に対しては経産省大臣官房に密かに設置された“プロジェクトチーム”のメンバーが出向されることになるでしょう」
この“プロジェクトチーム”は、北畑隆生官房長の肝いりで設置されたチームで、省内でも“将来の次官候補”と目される課長、課長補佐クラスを中心に編成されている。
「経産省は、言うところの“許認可官庁”ではないだけに、その行動に制約がかかることはない。それだけに自由な動きができるのです。産業再生という意味では、経産省にとって最大のライバルとなるのは財務省なのですが、その財務省は『国債発行30兆円枠』という大きな縛りがあって、自身の行動に大きな制約がかかっていると言っていいだろう。従って、『産業再生機構』に関する議論をリードすることになるのは、経産省ということになるだろう」(経産省中枢幹部)
とはいえ、経産省に全く対抗勢力がないわけではない。対抗勢力の筆頭に位置付けられているのが、竹中平蔵経財・金融担当相だ。
「こと“産業再生”という点でいえば、竹中大臣の発想と経産省の発想は180度違う、といっていいだろう。そのことはダイエーに対する両者のスタンスの違いから見ても明らかだ。つまり、ダイエーのような大型経営不振企業について、できるだけ早くマーケットから退出させるべきだとする竹中大臣と、何とか再生を図るべきだとする経産省では、そのスタンスが全く違う」(経産省中枢幹部)
つまり、竹中大臣の“ウルトラハードランディング路線”に対して、経産省は“ソフトランディング路線”を志向していると見るべきだろう。
「とはいえ、竹中大臣の最大のウイークポイントは、政策の企画・立案を手がけるスタッフが全くいない、という点なのです。竹中大臣が最も頼りにしている木村剛KPMGフィナンシャル社長は、産業政策については全くのシロウトです。つまり、竹中大臣には現在のところ“手足”が全く無いというのが実情です」(官邸中枢スタッフ) 今後しばらくは、経産省の動きには要注目だ。