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竹中経済財政・金融相は5日の閣議に2002年度年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。白書は、バブル経済が崩壊した90年以降、資産価格(地価と株価)が大幅に低下し、1158兆円のキャピタル・ロス(保有損)が生じたと試算した。
また、「資産デフレが進み、一般物価デフレも当面続く可能性が高い。デフレと実体経済の低迷が相互作用して悪循環に陥っている」と懸念を示した。
とくにデフレに伴う企業の過剰債務や不良債権問題が力強い成長を実現できない要因だとして、「構造改革を進め、経済を活性化させることが必要」と強調、税制改革の必要性や産業空洞化対策などを求めている。
小泉政権で2回目となる白書は副題に「改革なくして成長なし2」を掲げた。
構造改革については、「短期的なデフレ圧力をもたらす面がある」と認めながらも、「構造改革は潜在成長率を引き上げる。新しい成長は技術進歩が担う」との展望を明らかにした。
ただ、景気分析では、日本経済は「1―3月期に景気が底入れし、輸出主導で回復を続けている」としつつ、「当面の回復力は極めて弱く、とくに外的なショックにはぜい弱だ」と指摘。米経済が低迷し、大幅な円高進行で輸出が落ち込めば、「景気回復が腰折れする可能性も否定できない」と先行きを厳しく予想した。
さらにデフレの長期化に伴って、企業の過剰債務や銀行の不良債権問題が解消できないとし、銀行の経営体力や金融仲介機能の低下に懸念を示した。銀行には不良債権の早期抜本処理などを求めている。
白書は具体的なデフレ対策を明示していないが、経済活力を回復するため、法人税率引き下げなど税制改革の必要性を示唆したほか、産業空洞化対策として、企業経営や研究開発などの効率化を訴えている。
また、財政政策では、「必要な時には柔軟で大胆な政策運営を行うことが重要」と指摘し、景気刺激のための今年度補正予算の編成に含みを残した。金融政策については、「日銀の量的緩和政策は円安をもたらすことで景気下支え効果がある」と評価するとともに、政府・日銀の一体となった取り組みを求めた。
(11月5日10:52)