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Yomiuri On-Line/社会
http://www.yomiuri.co.jp/04/20021105i101.htm
第2東名「時速140キロ」、警察合意なく着工
日本道路公団が建設中の第2東名・名神高速道路(神奈川県海老名市―神戸市、456キロ)は、国内で初めて時速140キロで走行出来るように設計されているが、国土交通省(旧建設省)と同公団は実際の規制速度を決める警察側との合意を経ずに建設を進めていることがわかった。
警察庁と国交省などが今春まで6年間かけて議論した委員会の最終報告書には、最高時速が140キロだと現行の100キロより事故率が9%増えることなどが明記され、140キロ走行の実現は厳しい情勢だ。同高速は総事業費10兆7600億円で、1キロ当たりの建設コストは通常の5倍以上かかっているが、開通しても豪華な造りが無駄になる可能性が高い。
旧建設省は1990年に第2東名・名神の構造基準を定めて、都市部を除く全体の75%を140キロで走行できるように設計することにした。全線6車線で、各車線の幅は3・75メートル(東名・名神は3・6メートル)、路肩幅も3・25メートル(同3メートル)と広く、カーブや高低差も少なくした。
ところが、設計速度の基準を定めた政令である「道路構造令」には時速120キロまでしか規定がないため、旧建設省は警察庁と非公式に協議し、構造令を改正して140キロの項目を加えようとしたが、合意が得られなかったという。このため構造令はそのままにして、93年に当初計画通りで事業に着手した。
国交省高速国道課は「140キロ想定の設計なら安全性が高まるので、構造令を改正しなくても問題はないと判断した」と説明している。
この結果、第2東名・名神はカーブが少なく直線部分が多いことから、トンネルと高架・橋部分が全体の63%(東名・名神は20%)を占め、1キロ当たりの建設コストは236億円で、一般高速道(過去5年平均)の5・1倍もかかっている。
一方、着工から3年後の96年、100キロを超える速度が可能かどうか検討するため、警察庁、旧建設省、同公団と学者などから成る「高速交通の運用に関する調査検討委員会」が設置された。委員会は今春解散したが、実験などの結果、最終報告書は「上限速度を120キロ、140キロにした場合、事故率は各4%、9%上昇する」「車線間の速度差は40キロを超えると事故発生率が高くなる」などとしただけにとどまり、結論を出さずじまいだった。
元委員の1人は「100キロを超える速度については事故防止の面から警察庁の反対が非常に強かった」とした上で、「140キロ想定で工事を次々に進めておきながら、一方で上限速度をどうするかを議論するのは、順序が逆だと感じた」と語る。
これに対し、国交省高速国道課は「たとえ規制速度が140キロを下回っても、安全性は高まっているので、一概に無駄になるとは言えない」としている。
(11月5日09:19)