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自民党税制調査会の相沢英之会長は4日までに毎日新聞のインタビューに応じ、03年度税制改正で発泡酒にかかる酒税とたばこ税の増税を「ぜひやりたい」と述べ、本格的に検討する意向を表明した。また、消費税の免税点引き下げも「一つの案だ」と指摘し、増税となる中小業者の負担抑制を条件に容認する可能性を示唆した。
自民党税調は今週から03年度税制改正の本格協議に入るが、小泉純一郎首相が「1兆円超」と表明している03年度からの先行減税を穴埋めするための増税策が焦点になる。与党内には増税に対する抵抗も強いが、小泉首相が「多年度税収中立(増減税均衡)」の方針を示していることから、相沢会長は発泡酒・たばこ増税に加え、消費税の免税点引き下げも検討対象とする考えを示したものとみられる。
免税点は、年間売上高3000万円以下の業者に消費税の納税義務を免除している制度。消費者が払った消費税の一部が業者の手元に残る「益税」が指摘され、塩川正十郎財務相は免税点を1000万円程度に引き下げる意向を示している。
相沢会長は「免税点は消費税導入時から批判があった」と指摘し、「益税」への反発も考慮する必要があるとの姿勢を表明。政府税制調査会が廃止の方針を打ち出している売上高2億円以下の業者が仕入れ額を売上高の一定割合とみなせる「簡易課税制度」を、免税点引き下げで増税になる中小業者について存続させて急激な負担増を抑える案を選択肢の一つとして示した。
一方、所得税の配偶者特別控除などの廃止や、赤字企業にも税負担を求める外形標準課税の法人事業税(地方税)への導入には「政治的に納得が得られるか」と慎重な姿勢を示した。
また、減税については企業の研究開発・投資税制や贈与税、土地・証券税制の見直しを基本とし、竹中平蔵金融・経済財政担当相が求めている法人税率の引き下げは見送る考えを示した。 【木村旬】
自民党税制調査会の相沢英之会長とのインタビューの内容は以下の通り。
――小泉純一郎首相は先行減税規模を1兆円超と表明しています。
◆増税も減税も必要額を積み上げることが重要だ。ただ、首相の発言は尊重しないといけない。(減税を)2兆円とか3兆円に増やして景気が良くなるかというと、そうでもない。
――首相は「多年度税収中立」(増減税トントン)も主張しています。
◆今の財政状況では、いずれ減税を穴埋めする増税を考えざるをえない。ただ、今から4、5年先の増税を抱き合わせで決めて、景気対策になるのか。毎年見直しが必要だ。
――増税策として所得税の配偶者特別控除の廃止など課税最低限の引き下げが挙がっています。
◆課税最低限が海外に比べて高いなど理屈は出来ている。しかし、企業減税の財源とするのは、政治的に納得を得にくいのではないか。
――法人事業税(地方税)への外形標準課税(赤字法人にも企業規模などに応じて課税)の導入は?
◆機は熟したとの意見がある一方、景気の悪い時に赤字法人に少額でも税金を払わせることに理解を得られるか。議論は最後まで長引く。
――政府税制調査会は消費税の免税点引き下げを検討しています。
◆一つの案だ。免税点は消費税導入時から批判があった。免税点を引き下げる一方、引き下げ対象の業者には、負担の増加を抑えるため、簡易課税制度を暫定的に残す案もある。
――たばこと発泡酒の増税は?
◆昨年末の02年度税制改正作業ではいいところまでいったが、つぶれた。大衆課税との指摘もあるが、03年度税制改正では両方とも、ぜひやりたい。
――減税の内容は?
◆研究開発・投資減税が中心で、法人税率引き下げは04年度以降の課題だ。土地は譲渡益課税の税率を26%から20%に引き下げたい。株の配当課税の税率も預貯金の利子などと同じ20%に引き下げることを考えていい。
相続税・贈与税の一体化による生前贈与の税負担軽減は考え方としてはいい。一方、住宅取得時の贈与税の非課税枠550万円を2000万円に引き上げるべきだとの意見もあり、両方を検討していく。