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バブル崩壊による地価下落などで、土地区画整理事業や市街地再開発事業を行っている自治体や組合が売却を予定している土地や建物の価値が下がり、巨額の赤字を抱えるおそれが高いことが会計検査院の調べでわかった。01年度末の段階で、188地区の売却予定地などの価値が、事業計画より計2751億円分、目減りしていたという。検査院は、事業管理を適切に行うことが急務と主張している。
これらの事業では、都市計画区域内の地権者らから土地などの提供を受けて宅地を区画整理したり、市街地に高層ビルを建てたりして、都市環境の改善を図る。自治体や地権者の組合などが事業を行う。
地権者から提供を受けて整備した土地や新たに建設した建物の一部を事業主体が売り、その収入も事業費に回して収支バランスを取ることになっている。このための土地は保留地、建物は保留床と呼ばれる。
ところが、バブル崩壊後、地価下落や不動産需要の低迷が続き、開発利益も当初の見込みを大幅に割り込んでいる。また、地権者すべての賛同が得られないなどの理由で計画の進捗(しんちょく)が遅れているところもあり、これが保留地などの目減りに拍車をかけている。
検査院が全国の724の事業地区を調べたところ、26%にのぼる188地区で、保留地などを売った収入が当初計画より減ることによる収支の不均衡が見込まれた。これらの地区の事業費総額は約4兆1500億円で、国の補助金は約6700億円に及んでいる。
188地区のうち土地区画整理事業は181地区。これらの地区で現行の保留地単価を設定した時期を調べたところ、設定後長期間が経過している実態が浮かんだ。地価の下落傾向が続いているのに、単価の見直しをしておらず、10年以上前に設定したままの地区が9地区もあった。
また、01年度末時点での実勢価格に基づく保留地などの処分金収入の見込みを当初計画と比べたところ、土地区画整理事業では平均17.0%の収入減、市街地再開発事業で平均24.9%の収入減となることが分かった。中には50%を超えるところもあったという。
検査院は「財務状況が悪化して事業の進捗が遅れたりする恐れがある。事業主体は現状の把握に努め、資金計画や事業内容を見直すなど、事業収支の均衡を図る必要がある」としている。