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(回答先: 中国、韓国、ロシアの動向>>あっしらさんへ 投稿者 楽観派 日時 2002 年 11 月 03 日 09:32:56)
中国の歳入不足問題:
上海・広州・北京・シンセン・大連・アモイなどの沿海部諸都市及び首都がGDP成長の原動力になっていますが、外資には優遇税制を適用し、高額所得者への国税課税システムも確立できず、省や直轄市からの“上納システム”も機能不全に陥っていることから、歳入不足になるはずです。
中央政府は元々国有企業からの税収に依拠していましたが、その国有企業は破綻もしくは民営化という方向ですから、財源の移行期にあります。
(国有企業過剰債務=銀行不良債権問題は、生活共同体としての国有企業のあり方とともに、国有企業が国家財政を支える構造にあったことから生じています)
国有企業のウエイトが下がり、民間企業が経済活動の中心を担うようになると、省や直轄市を媒介とした徴税に頼らざるを得ません。
しかし、外資と民営企業を中核とした経済発展のなかで「地域主義」がより強化され、中央政府の思惑通りには省や直轄市から税を吸い上げられない状況にあります。
(元々解放軍は地域主義的な布陣になっていますから、それに経済的基盤が加わったと言えます)
現在の中央政府は上海閥です。
北京勢力は政治局常務委員であった北京市第一書記が汚職で死刑になったことで力を失っています。広東勢力は、元々中央に食い込めないことで政府とは良好な関係にはありません。(広東勢力は、“革命発祥の地”という自負を持っていることから、上海グループによって追いやられているという意識を持っています)
経済発展地域がどこもより大きな発展を志向していますから、徴税したお金は自分たちの地域のインフラ整備や民生安定のために使いたいと思っています。
中央政府も、各地域が「経済−政治−軍」の体制を持っているので、税金を力ずくで採るというわけにはいきません。
このようなことから、中央政府が抜本的に財源不足を解消するのは困難だと思われます。
財源不足は、既に過剰債務状態ですが、それを積み上げることになる国債でまかなうしかないでしょう。
そして、それが破綻する前に、民営化経済構造に適合した全国レベルでの税制改革を完了し、沿海部から内陸部への所得移転を制度化するしかありません。
それができなければ、中国が分裂する可能性もあります。
中国の財政問題で厄介な問題は、中国経済が日本経済と同じようにデフレに陥っていることです。
実質成長率はそこそこですが、デフレですから、債務負担は過大なものになります。
中国は、政治的にも経済的にも微妙ながら危機に向かっていると考えています。
韓国・ロシア:
>韓国の報道によると、ロシアは未払いの債務19億ドルの支払いの代りに、戦車など
>の武器を売却し、漁業権をあたえることで解決するという。過去、北朝鮮に戦車を売
>却したのは主にロシアだったと思うが、そのロシアが韓国に戦車を売るとは。これは
>どう解釈されます?
武器と漁業権の比率がないので、どの程度の武器が“物納”で使われるかわかりませんが、北方4島の漁業権は昨年も売られて問題になりました。
魚介類は対日輸出品にもなりますから、漁業権はハードカレンシーに相当する経済価値はあります。(10億ドルで13億ドル分くらいの漁業権は手に入るでしょう)
韓国と地続きの「外国」は北朝鮮だけですから、米国の兵器体系を採用している韓国にとって、ロシア製戦車が国防上それほどの意味を持つとも思えません。
意味があるとしたら、ロシア製戦車の能力や製造技術をチェックしたり、北朝鮮軍を想定した演習で利用するといったものになります。
朝鮮半島の「南北統一」が織り込み済みであれば、“旧北朝鮮軍”兵器の補充や拡充という意味を持つことになるかもしれません。