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政治評論家の早坂茂三さんが田中角栄元首相から教わったことの一つに「小兵の人に油断するな」というのがあったという話を以前、小欄で書いたことがある
不良債権処理加速策が大手銀行首脳や自民党有力派閥に加え、野党にも反撃され、竹中平蔵金融・経財相はサンドバッグのようにたたかれて見るも無残だが、小兵から繰り出される回転の速い弁舌が憎まれるのかもしれない
思い切った公的資金投入とセットに経営責任を厳しく問うその加速策には、一九二〇〜三〇年代の大恐慌のとき、不況には「劣悪なものを陶汰(とうた)する作用がある」として創造的破壊なるものを唱えたシュンペーターを思わせる小気味よさがある
が、慶大教授の竹森俊平氏によると、シュンペーターの理論は大恐慌で役立たないことが証明されたが、債務のマイナス面をち密に分析してデフレ対策を重視した米経済学者フィッシャーの理論の方が有効と分かり、それは今日のマクロ経済学の常識だそうだ
竹中さんは即シュンペーターではないが、経営責任を厳しく追及し、せっかちに退場を迫るなどということではシュンペーターの二の舞いだろう。